戦争の矛盾はいつも弱い立場のものが背負い込むことになる。
戦況が悪化すると大人たちは護るべき子どもを利用しようとする。
子どもを武器に仕立てようとする。
731部隊。
旧満洲で捕虜に対する人体実験、細菌兵器の研究開発を行った。
当時の国際法に照らしても違法な行為に
わずか14歳の少年たちが荷担させられていた事実は
あまり知られていない。
戦争の長期化で人手不足に陥ると
大人たちは子どもを穴埋めに利用した。
731部隊も例外ではない。
細菌の培養、あるいは細菌爆弾の製造に子どもを投入したのだ。
終戦後、大人たちは部隊での活動を決して口外しないよう厳命した。
戦後80年を前に
90歳を超えるかつての少年隊員が
731部隊での体験をようやく語り始めた。